ベトナムは世界的に注目されているIT大国!成長の背景と今後
ベトナムのIT成長が世界的に注目されていることをご存知でしょうか。技術面の成長から、多くの企業に開発の委託先として選ばれています。また、近年は国全体のインフラ整備も急ピッチで進められています。この記事では、ビジネス・日常生活におけるベトナムのIT事情についてお伝えします。
ベトナムがIT大国へと成長した背景
ベトナムが今日のようなIT人材大国として成長を遂げた背景には、ベトナムの教育法があります。ベトナムでは、1998年に教育法が成立しました。この教育法では、小学3年制から、コンピューター教育と英語教育を実施することが定められています。
政府もIT教育に積極的です。多くの学校にパソコンやネットワークなどの設備が導入されています。また、ITと親和性が高い科学・工学・数学技術などの教育に長らく注力してきました。
中学校からは、実践的なソフトウェア開発の授業が実施されます。早い段階からIT人材の育成を行っている点が特徴です。現在は1年で5万人ものエンジニアを輩出しています。
また、インフラが充実し、デバイスが国民に普及している点もベトナムの特徴です。国内のインターネット利用率は70%、スマートフォンの保有率は93%に到達しています。スマートフォンの保有率に関しては、日本以上です。
さらに、ベトナム政府は海外のIT企業の誘致を推し進めています。結果として、下請けを担当する国内のIT企業が大きく成長することになりました。さらに、国内のIT人材の雇用機会も増加しています。
ベトナムが現在のようなIT面での発展を遂げた背景にはこうした流れがあります。
ベトナム人が得意とするIT分野
ベトナムでは、どんな分野でエンジニアが活躍しているのでしょうか。
プログラミング言語については、主要なものをカバーしています。具体的には、以下のような言語が得意です。
- JavaScript
- Java
- PHP
- Python
- C#/.Net
- Objective-C
- C++
- Ruby
これらの言語は、世界の開発現場においてスタンダードになっています。そのため、ベトナム人のエンジニアは、さまざまな開発で活躍中です。バックエンドやフロントエンドのほか、iOSやAndroidなどスマホアプリの開発でも重宝されています。
こうした対応技術の幅広さから、ベトナムはオフショア開発の委託先としても一般的です。オフショア開発とは、開発業務を海外の企業に委託する手法のこと。コストやリソース面でのメリットから、日本でも注目されています。
ベトナムにオフショア開発で委託されることが多いのは、以下のような業種です。
- Webシステム開発
- スマホアプリ開発
- Webサイト制作
- ゲーム開発
- データ入力
こうした開発を日本で行う場合、開発費全体における人件費の割合の大きさが問題になります。オフショア開発であれば、こうした人件費の問題をクリアできます。
ベトナムは人件費の低さと技術力の高さから、オフショア開発においてコストパフォーマンスに優れた委託先として高く評価されているのです。
一方で、近年は新しい技術への対応も日本以上にスピーディーになってきています。日本では獲得が難しいようなAIやブロックチェーンなどの対応した人材もベトナムには豊富です。このことから、単なるコスト削減のための委託先とは言えなくなってきています。
将来的なベトナムのIT業界
政府は、今後もベトナムをIT大国として成長させるべく、積極的に施策を実施していくことを発表しています。
ベトナムでは、「2025年までの国家デジタルトランスフォーメーション(DX)プログラムおよび2030年までの方針」という計画が制定されています。本計画は、2030年までにベトナムがデジタル国家として目指すビジョンをまとめたものです。国民の生活から企業活動にいたるまで、デジタル面での展望が組み込まれています。
また、「749/QD-TTg」という議定も作成されました。この議定には2030年までに達成すべき数値目標が定められています。
議定内に記載されているのは、以下のような目標です。
- 光ファイバーの普及率100%
- ICT開発指数世界30位以内
- 世界競争力指数世界30位以内
- 全国での5G導入
このような指針にもとづき、今後もベトナムのIT化は推進されていく見込みです。ビジネス面はもちろん、インフラの整備により国民にとっても住みやすい国になっていくことが予想されます。移住したとしても、IT面で不自由を感じるようなことはないでしょう。
まとめ
国をあげてITの整備、技術向上に取り組んでいるベトナム。ローコストで開発を行いたい場合は、最適な委託先と言えます。また、日本では見つからない優秀な人材が見つかるかもしれません。さらに、政府は国全体のIT整備に意欲的であることから、通信やデバイス普及についても不自由を感じることはないでしょう。移住した場合も、日本と比較してIT面での遅れを感じることはないと考えられます。開発の委託や移住をお考えなら、IT面での躍進を続けるベトナムを検討してみてはいかがでしょうか。
参考
ベトナムはなぜIT人材大国となったのか?その背景や得意とする技術分野を紹介