現在、ベトナムは富裕層の人々が増えました。年収を日々の生活以外にも使える余裕があり、ビジネスシーンではメインターゲットとして注目を集めています。これから同国で事業展開する際も、富裕層の所得状況などについて理解しておくと役立つでしょう。そこで今回は、富裕層の人々が獲得している平均年収や所得の使い道に関する特徴をご紹介します。
富裕層の平均年収や特徴
ベトナムで富裕層と呼ばれる人々の平均年収は、36,000万ドン(180万円)以上です。さらに超高所得の職業では、360~720万円になるといわれます。
富裕層の平均収入
ベトナムの富裕層については、かつてボストン・コンサルティング・グループが月収3,000万ドン(約15万円)以上と定義しました。この数字は、ベトナムの中間層と富裕層について同グループが実施した調査で示されています。
近年、同国の平均月収は400万ドン(2万円)ほどです。年収に換算すると、およそ25~30万円になります。これらの数字と比べた場合、富裕層の所得はかなり高額と分かります。
あくまで月収3,000万ドン以上から富裕層とする考え方は上記グループによる定義ですが、最近は同様の基準を用いるケースが多く見られます。
富裕層の特徴
年収が36,000万ドンに達する富裕層は、日々の生活資金に余裕のあるところが大きな特徴です。
先のグループによると、月収1,500万ドン~3,000万ドン未満は中間層に分類されました。昨今のベトナムは、月収が1,500万ドン前後にとどまると毎月の所得を生活費以外に回すのは難しいといわれています。
それに対し富裕層の多くは、資金面に余裕が生まれている状況です。必要な生活費を除いても多額の余剰金が手元に残り、それらは娯楽方面に使われる傾向が見られます。
これらの特徴から、いまベトナムのビジネスでは富裕層がメインターゲットになっています。
超富裕層の増加率
英系不動産サービス大手が2020年に発表した報告によると、ベトナムにおける超富裕層の増加率は世界3位になる見通しです。
ここでの超富裕層は、資産額が3,000万ドル(約31億9,500万円)以上にな々を指しる人ます。また100万ドル以上の資産を所有する場合、富裕層と呼ばれています。
同サービスが示した数字を見ると、ベトナムで2024年までの5年間に予想される超富裕層人口の増加率は64%です。これは、インド73%とエジプト66%に次いで3番目となる順位です。
具体的には753人に及ぶとの予想であり、これから(超)富裕層向けのビジネスチャンスは拡大すると見込まれています。
富裕層が多い職種や居住地
最近のベトナムで、富裕層の割合が多い職種はパイロットやIT関係です。また大都市のホーチミンには、高級住宅街が形成されています。
高収入を得ている職種
2015年に公表されたデータによると、パイロットとIT企業の職員はベトナムの高収入ランキングでトップ5に入っている職種です。
パイロットは乗客・乗員の命を預かる立場にあり、業務責任の重さに見合うだけの収入を得ていると考えられます。IT系は経済成長の著しいベトナムで需要が高く、その点が収入の多さにも結びついています。
トップ5の残り3つは、飛行機の客室乗務員(CA)、航空管制官、人事部の職員です。なかでもCAは学歴に関係なく毎月の給与額が高いため、珍しいケースと見られています。
いずれの仕事も決して楽ではありませんが、努力次第で高収入を目指せる職種として国内の若手たちに人気です。
富裕層の多い居住地
ベトナムで富裕層の多い居住地のひとつは、国内で最大規模を誇る都市ホーチミンです。
とくに同地域の7区に位置するフーミンフンは、高級住宅街として広く知られます。普段から車などの交通量は少なく大勢の外国人が居住し、外国人街とも呼ばれます。
首都ハノイは、投資に成功した役人が多く暮らす地域として有名です。他にはサンライズシティエリアやサイゴン・サウスプレイス・コンプレックスエリアも富裕者から人気を集めます。
このところ都市部は開発事業が盛んであり、海外企業がビジネス展開するにも適していると考えられます。
富裕層の暮らしぶり
富裕層の暮らしに目を向けると、それぞれの趣味は多様化する流れです。同時に、健康意識の高さも感じられます。
かつて日常会話では、週末の予定を聞かれると「映画を見てカフェにいる」との返答が一般的でした。一方、最近の富裕層は、いろいろな趣味に時間を費やしています。
健康意識の高さは、昔から変わりません。いまもヨガやフィットネスは需要があり、ヨガ専門の小規模なスタジオから全国にチェーン展開するジムまで盛り上がっています。
また国内や海外への旅行にも関心が強くなり、さまざまなジャンルで富裕層にアプローチすればビジネスチャンスは広がると期待できます。
まとめ
ベトナムの富裕層が獲得している平均年収は、180万円以上です。生活費に余裕があり、余剰資金を娯楽にも使える特徴が見られます。とくにパイロットやIT系は、国内トップクラスの収入を得ている職種の代表例です。
また富裕層は都市エリアの高級住宅街に居住する傾向があり、趣味の多様化も特徴的です。そのため、これからベトナムで事業展開するなら富裕層の動きに注目することが重要と考えられます。
参考サイト:
https://marketing.ne.jp/vietnam-hnwis/3239/
https://iconicjob.jp/blog/vietnam/some-occupations-have-high-salary-in-vietnam
https://biznavi.smrj.go.jp/9044/
https://www.foreland-realty.com/?p=1212116