近年、人口の増加が目覚ましいベトナム。その理由のひとつが、移住者の増加です。2015年に外国人名義での不動産購入が解禁され、多くの人が物件を購入しています。近年は、日本人にとっても魅力的な高級マンションも目立つようになりました。この記事では、そんなベトナムのマンション事情についてお話しします。
ベトナムでマンションを購入する人が急増
投資や移住目的でベトナムの不動産を購入する日本人が増えています。大きなきっかけは、2015年に外国人名義での不動産購入に対する認可が出たことです。2019年には、ベトナム在住の日本人数が約22,000人に到達しました。2020年には新型コロナウイルスの影響により減少しましたが、収束後は再度増加に転じる見込みです。
マンションが購入されているのは、主にベトナムの2大都市であるハノイとホーチミンです。ほかにも、ハイフォンやダナン、ニャチャンといった都市にも人気があります。
ベトナムでマンション購入が多いハノイ・ホーチミン
ベトナムのマンション購入は、ハノイとホーチミンという2大都市に集中しています。
ハノイはベトナムの首都であり、政治の中心地です。日本と同じように四季があることから、人気となっています。アジアと西洋の文化が融合した雰囲気で、どこか哀愁を感じさせますが、鉄道の建設が進むなど都市開発も目立っています。
ホーチミンは東南アジアを代表する経済都市として有名です。非常に美しい景観を有することから、「東洋のパリ」とも呼ばれています。市内には、多くのビジネスビルやマンションが立ち並んでいます。
ベトナムの高級マンション事情
続いて、ベトナムのマンションに関する基礎知識について解説します。
まず、ベトナムでは「マンション」という呼称は使われていません。日本人がイメージするマンションは、外国では「アパートメント」と呼ばれます。
ベトナムにはさまざまなクラスのマンションがありますが、高級マンションとして分類される物件は総じて設備が豪華です。敷地内に公園が設置されている物件も少なくありません。敷地内では子ども向けの遊具が設置されています。バーベキュー施設があるマンションが多いのも、ベトナムならではの特徴です。
さらに、ミドルクラス以上のほとんどのマンションに設置されているのがプールです。ほとんどが屋外プールですが、管理体制が行き届いていないケースがあり、天候によっては汚れたままになっていることがあります。購入前にはプールの管理状況について確認が必要かもしれません。
また、プールがあるマンションには必ずといっていいほどフィットネスジムが併設されています。ベトナム人の一般的な移動手段はバイクです。そのため、運動不足の対策としてジムで汗を流すベトナム人が多いようです。マンション内のジムのほか、都市部にはいくつもの会員制ジムがあります。
ベトナムのマンションの特徴として、広さが挙げられます。日本では、無駄を排する国民性からコンパクトに設計されたマンションが大半です。一方、ベトナムのマンションはワンルームでも50~60平米と広く設計されています。3部屋のマンションでは、100平米を超える物件も少なくありません。
バスルームも日本とは異なります。浴槽つきのマンションはほとんどありません。また、ベトナムではホースの水や貯めてある水で洗うトイレも使われていますが、高級マンションのトイレはほとんどが日本と同じ水洗式です。
ベトナムのマンションの注意点
ベトナムのマンションを購入する場合、文化的な問題から注意しなければならないことがあります。
ベトナムの住宅では、玄関のドアを常に開けておくことが一般的です。これは、家庭の様子を近隣に対してオープンにすることが常識となっているためです。玄関を閉めていると「あそこの家は何か怪しいのでは」と噂をされてしまいます。
この文化がマンションに持ち込まれることも少なくありません。都市部の治安は良いとはいえ、空き巣の被害に遭う点は否定できません。部屋の中を見せることと防犯対策を両立するために、マンションのドアに鉄格子がつきられることがあります。
特に日本人の方がベトナムのマンションに移住される場合は、「ドアを開けておくこと」にプライバシーの問題から抵抗を感じるかもしれません。また、虫やホコリが入ってくることもあります。そもそも、ベトナム人に日本の玄関のような概念はないのです。この点は、文化的な違いとして受け入れる必要があります。
まとめ
ベトナム不動産の人気やマンション事情についてお伝えしました。特にハノイとホーチミンは日系企業の進出も目立っており、多くの日本人が移住しています。コロナ禍が収束すれば、マンション探しがしやすくなるでしょう。ぜひ魅力的な物件を探してみてください。
参考