政治や経済などの影響で中国への投資リスクが高まるなか、「チャイナプラスワン」の投資先として人気があるベトナム。今回は、そんなベトナムの経済成長率の推移や成長を続ける理由、課題をご紹介します。ベトナム進出をご検討中の場合は、ぜひ参考にしてください。
ベトナムの経済成長率の推移
経済成長率とは、特定の期間における経済規模の変動率を表す指標です。国の経済成長率は、「GDP」という指標で計算するのが一般的です。
GDPとは、「Gross Domestic Product」の略称で、「国内総生産」を指します。具体的には、特定の期間に国内で生産された物やサービスの付加価値の合計額を表しています。
ベトナムの経済成長率
ベトナムのここ10年の経済成長率は、以下の表のように推移しています。
年 |
経済成長率(前年比%) |
2012年 |
5.25 |
2013年 |
5.42 |
2014年 |
5.98 |
2015年 |
6.68 |
2016年 |
6.21 |
2017年 |
6.81 |
2018年 |
7.08 |
2019年 |
7.02 |
2020年 |
2.91 |
2021年 |
2.58 |
ベトナムの経済成長率は、2020年と2021年を除いて6〜7%の数値で推移しています。日本の経済成長率が0〜2%で推移する年が多いことを踏まえると、とても高い水準であることがわかります。
【出典】「2021年ベトナム経済統計」(令和4年5月在ベトナム日本国大使館経済班)
https://www.vn.emb-japan.go.jp/files/100347880.pdf
新型コロナウイルスの流行はベトナム経済に影響を与えた?
2020年に国内で初めて感染者が確認された新型コロナウイルスは、日本経済に大きな影響を与えました。同年の経済成長率は前年比-4.5%を記録し、リーマンショックが発生した2008年を超える下げ幅となりました。
新型コロナウイルスの流行により経済に深刻な影響を受けたのは、日本だけではありません。先の表を確認すると、マイナス成長とはなっていないものの、ベトナムの経済成長率も大きく低下していることがわかります。
【出典】「2020年度(令和2年度)国民経済計算年次推計(フロー編)」(令和3年12月24日 内閣府経済社会総合研究所 国民経済計算部)
ベトナム経済の今後について
ベトナムは、世界の国々と同様に新型コロナウイルスの影響を受けたものの、マイナス成長を記録する国が多いなかでプラス成長を維持した国のひとつです。
2022年には新型コロナウイルス関連の規制の多くを撤廃したこともあり、第1四半期の経済成長率が前年同期比5.03%を記録しました。世界の国々に先駆けてV字回復を遂げており、今後の成長が期待されています。
【出典】「ビジネス短信 第1四半期のGDP成長率、前年同期比5.03%(ベトナム)」(JETRO 日本貿易振興機構(ジェトロ))
ベトナムが経済成長を続ける理由
ベトナムは、ASEAN域内でも高い経済成長率を維持する国として知られています。ベトナムが経済成長を続ける理由はどこにあるのでしょうか。
外資系企業のベトナムへの進出
ベトナムの経済成長のもっとも大きな要因として挙げられるのが、外資系企業の進出です。ベトナムは、2021年時点で9,800万人を超える人口を有しています。日本や中国、韓国などのアジアの経済大国と比べて人件費が安いことから、多くの外資系企業が参入を進めています。
また、ベトナムは天然資源が豊富な国としても有名です。そのため、世界のエネルギー企業や電子部品会社などがベトナムで事業を立ち上げ、資源の採取や化学製品の生産などを行っています。
【出典】「ベトナム 概況・基本統計」(JETRO 日本貿易振興機構(ジェトロ))
https://www.jetro.go.jp/world/asia/vn/basic_01.html
アジアにおける輸出拠点としての認知拡大
ベトナムの経済成長には、輸出量の増加も影響しています。外資系企業の進出によって、ベトナムには大規模な製造拠点が多く建設され、アジアにおける輸出拠点としての存在感が増しています。
実際2016年には、ASEAN域外への実質輸出額に関して、それまでトップであったタイを抜いてASEAN1位の輸出規模を記録しました。2010年には両者の輸出規模に2.7倍の差があったことを踏まえると、ベトナムの輸出額が急激に増加していることがわかります。
また、2021年にはコロナ禍でありながら過去最高の輸出額を記録しており、経済が回復した後も成長が見込まれています。
【出典】「ベトナムの輸出:停滞するタイ、躍進するベトナム」(一般財団法人国際貿易投資研究所(ITI))
ベトナムの経済成長における課題
ベトナム経済は順調に成長を遂げているものの、いくつかの懸念点も指摘されています。こちらでは、ベトナムが経済成長を続けるうえでの課題を2つご紹介します。
インフラの整備
ベトナム政府は、外資系企業を呼び込むためにインフラの整備を進めていますが、まだ十分とはいえません。特に懸念されているのが、物流インフラと交通インフラです。
ベトナムには北部に「ハノイ」、南部に「ホーチミン」という大都市があります。しかし、両都市をつなぐ物流インフラや交通インフラが十分に整備されていないため、ベトナムの経済活動は両都市を中心に二極化しているのが現状です。鉄道の改修やトラック渋滞の解消、深海港の整備などを進めなければ、継続的な経済成長が難しくなる可能性があります。
人件費の上昇
次に懸念されるのが人件費の上昇です。新型コロナウイルスの流行により一時落ち着きを見せているものの、経済成長を続けるベトナムでは、人件費の上昇が顕著です。人件費が高くなると、想定通りに外資系企業を呼び込めなくなる可能性があるため、経済成長が鈍化するリスクがあります。
まとめ
今回は、ベトナムの経済成長率の推移や成長を続ける理由、今後の課題についてお伝えしました。ベトナムは、アジア諸国のなかでも高い経済成長率を誇り、世界から注目されている国のひとつです。
日本と比べると物価や人件費も安く、法人の設立も比較的行いやすい傾向にあります。最新の動向を確認したうえでベトナム進出を検討しましょう。
参考
https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/10/fe0f0078452f4d38.html
https://www.vn.emb-japan.go.jp/files/100347880.pdf
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html
https://x-hub.tokyo/column/asia-keizai/916.html#:~:text=WTO%E6%AD%A3%E5%BC%8F%E5%8A%A0%E7%9B%9F%E3%81%A7%E5%8A%A0%E9%80%9F%E3%81%99%E3%82%8B%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8C%96&text=%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0%E3%81%AE%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E9%9B%86%E6%A8%A9%E3%81%8B%E3%82%89,%E3%82%92%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82
http://www.am-one.co.jp/warashibe/article/chiehako-20190723-1.html
https://www.ycg-advisory.jp/learning/oversea_157/#:~:text=%E6%88%90%E9%95%B7%E3%81%97%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%82%8B%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%81%A8GDP,-%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0%E3%81%AE%E5%AE%9F%E8%B3%AA&text=2022%E5%B9%B4%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0%E6%94%BF%E5%BA%9C%E3%81%AF,%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%A7%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E3%80%82
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https://x-hub.tokyo/column/asia-keizai/929.html
https://www.digima-japan.com/knowhow/vietnam/merit
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